人と人がぶつかり合う人材育成は非常に難しい課題です。
叱るべきか、褒めるべきかは非常に難しいですよね。
人材育成が思うようにいかない上司に参考になる教育論があります。
それはプロ野球界のレジェンド、あの「ぼやき」で有名な『野村克也』さんの教育論です。
結論から言うと、プレイヤーの実力に応じて「1.無視」「2.賞賛」「3.叱責」の3つを使い分ける方法です。
野村流の教育論を活用すれば、リーダーだけでなくプレイヤー全員が自分のレベルを把握し、努力を続けることができる仕組みになっています。
本記事では具体的に野村克也流人材育成術がどんなものか紹介します。
野村克也流人材育成術とは?
野村流の人材育成術とは、プレイヤーの実力に応じて「1.無視」「2.賞賛」「3.叱責」の3つを使い分ける方法です。
具体的にどう使い分けるのかを以下にまとめてみますと・・・
アクション | 対象メンバー | アクションの意味 |
1.無視 | 実力なし | 眼中なし |
2.称賛 | 中堅 | 褒めて伸ばす |
3.叱責 | トッププレイヤー | さらなる成長を促す |
重要なのはこの仕組みをチーム全体に浸透させること。
続いてこの『仕組み』がもたらす効果について説明していきます。
野村克也流人材育成術の仕組みと効果
野村流人材育成術の仕組みは、プレイヤーの実力に応じで選手への態度を変えるというものでした。
裏を返せば、プレイヤー側は『監督から受ける態度』で自分がどの位置にいるのか分かるんです。
監督のアクションに対して、プレイヤー側の気持ちをまとめたのが下表です。
アクション | 対象メンバー | 選手の気持ち |
1.無視 | 実力なし | 早く褒められるようにならないと |
2.称賛 | 中堅 | 叱られるようにならないとトップには入れない |
3.叱責 | トッププレイヤー | 容赦なく叱られるけど、監督から認められている証だからあんまり嫌じゃない |
自分が今いる位置がわかるおかげで、目標が明確になるなります。つまりトップより下のプレイヤーはがむしゃらに次のステップを目指して努力できます。
そして、トッププレイヤーは容赦なく叱られますが、これは監督から認められている証なので、叱られるのはそれほど苦痛には感じなくなります。
つまり、トップ選手も指摘を受け、慢心にならず、更なるレベルアップできる訳です。
そしてそして、結果的にチーム全体がレベルアップできるという効果をもたらします。
野村克也流人材育成術はビジネスに応用できる?
そのままビジネスに転用することはできませんね。
『無視する』というのがまずNGです。
でも個人的には応用することはできると思っていますので、自分なりのビジネスシーンへの応用について紹介していきます。
「見える化」という観点が参考になる
野村流育成術では、監督のとる態度で選手個人が自分の今いるレベルがわかる仕組みになっていました。
ビジネスでも、従業員の今いるレベルにあと具体的に何をできるようになれば次のレベルに昇格できるのかを『見える化』することが大切だと考えます。
人材育成方針は会社によってさまざまかと思いますが、個人的に思うところは「能力評価の不確かさ」が社員のやりがいを削いでいるということ。
従業員は皆、目の前の仕事に一生懸命取り組んでいます。一年間頑張っても給料がほんのちょっとしか上がらなかったら「なんでや・・・あんな頑張ったのに・・・」とモチベーションが下がります。
とはいえ、会社側からしても従業員に払える賃金には限界はあります。要はその落としどころが明確になっていないのでもやもやするわけです。
例えば、「一人で仕事を回せるようになると次のステップに昇格できる」というような具体的な目標があれば、従業員も自分の今いる位置が分かり、次のレベルになるための行動を取りやすくなります。
シンプルに『上るべき階段を示してあげる』ということを意識してみてはいかがでしょうか。
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